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三重 県 の パチンコ 屋 部品点数の多い製造装置や生産ラインなどを設計する現場では、今もなお2次元設計が主流だ。

 家電、あるいは自動車や航空機といった産業分野では、20年以上前から3次元設計が行われており、この領域をカバーする3D CADも豊富に存在する。この成熟した領域に対し、部品形状はシンプルだが数万点からなる大規模アセンブリを取り扱う産業機械の領域は、装置設計に適した3D CADも限られており、普及が進んでいない。

 だが「製造業」という大きなくくりの中で、3次元化はもはや主流であり、3Dデータを中心としたモノづくりを実現し、新たなバリューチェーンをいかにして生み出していくかが、企業価値の向上や製品競争力の強化には欠かせない。産業機械の領域といえども、いつまでも2次元設計のままでよいはずはない。

 そこで、今回は装置設計を対象に、大規模アセンブリの扱いに定評のある3次元設計ツール群と、それらを快適に使うための最適なハードウェア環境について紹介する。同時に、実務レベルでしっかりと「使える」ことを証明するために、さまざまな視点からベンチマークテストも実施した。

 ベンチマークテストを行ってくれたのは、デジプロ研 代表の太田明氏だ。太田氏はCAD/CAEコーディネーターとして、顧客企業に対して3D CADやCAEの導入などを支援するコンサルタントとして活躍する。独立前は、半導体製造装置、生産ラインの設計者として、3D CADやCAEの立ち上げ、協力会社への横展開などにも携わり、CAD/CAEの導入に関しては設計者目線で、ソフトウェア中立の立場で豊富な経験を積んできた人物だ。

製造業の現場が求めるツールがワンパッケージに

 まず紹介したいのは、製造業の現場で必要とされる設計開発ツール群をセットにし、サブスクリプション方式による柔軟なライセンス運用が可能なオートデスクの製造業向けコレクション「Product Design & Manufacturing Collection」(以下、コレクション)だ。ここでは、特に製造装置や生産ラインの設計に役立つツールとして、コレクションの中から「Inventor 2021」「Inventor Nastran 2021」「ReCap Pro」の3つを取り上げる。

 Inventorは、大規模アセンブリの取り扱いが得意で、部品点数の多い機械設計に適した3D CAD。Inventorの中には標準のCAE機能も組み込まれているが、より高度な解析向けにコレクションでは有限要素解析(FEA)ツールのInventor Nastranを提供する。

画像1 Inventor 2021の画面イメージ(1万点のフルアクティブモデルの例)画像1 Inventor 2021の画面イメージ(1万点のフルアクティブモデルの例)<strong>画像2</strong> Inventor Nastranの画面イメージ画像2 Inventor Nastranの画面イメージ

 一方、ReCap Proは点群データを扱うソフトウェアだ。3Dスキャンした点群データから室内や製品の3Dモデルを作成したり、いろいろなポジションからスキャンした結果をマージしたりする機能などを備える。Inventorで装置を設計する際、設置場所周辺にある既存の生産ラインや工場の構造物、配管などをあらかじめ取り込んで、それらと干渉しないように設計するといったことが可能だ。

画像3 ReCap Proの画面イメージ画像3 ReCap Proの画面イメージ設計業務の最前線で活躍する最新モバイルワークステーション

 そして、これらツールのベストパートナーとして紹介したいのが、2020年発売の「HP ZBook 15 G6 Mobile Workstation」(以下、ZBook 15 G6)だ。

画像4 HP ZBook 15 G6 Mobile Workstation画像4 HP ZBook 15 G6 Mobile Workstation

 今回は、このZBook 15 G6のパフォーマンスをより分かりやすく示すために、2次元設計の現場では今も現役で使われていることも多い旧型のデスクトップワークステーション「HP Z220 SFF Workstation」(以下、Z220 SFF)でのベンチマークテスト結果も併せて紹介する。

 詳細は表1の通りだが、最新モデルとあってZBook 15 G6は、コア数、クロック周波数、キャッシュ、AVX2(拡張命令セット)など、CPU性能が飛躍的に向上している。もちろん、GPUやメモリも増強されている。

表1 ZBook 15 G6とZ220 SFFのシステム比較表1 ZBook 15 G6とZ220 SFFのシステム比較

 ただ、いくら最新とはいえ、モバイルワークステーションで大丈夫なのかと思われる方もいるだろう。確かに、Z220 SFFが販売されていた2013年当時は、設計業務といえばデスクトップが主流だった。しかし、現在は技術革新による性能向上とともに、DR(デザインレビュー)や製造現場での使用、テレワークに対応するために、モバイルワークステーションが設計業務の最前線で利用されるケースも珍しくない。

生産ラインを簡略化なしにフルアクティブのまま設計可能に!

 では、Inventorのベンチマークテスト結果から紹介しよう。Inventorについては、ハードの違いによる検証だけでなく、Inventor 2017とInventor 2021のバージョン比較も併せて実施した。「Inventorは、2018以降のバージョンで大規模アセンブリの強化が一気に進んだ。それ以前の性能と比べることで、Inventor 2021がどれだけ進化したかがよく分かる。よって、今回は近年のハードとソフトがそれぞれどれほど性能向上しているかを実感してもらうために、ハード/ソフトともに新旧2種類でベンチマークテストを行った」(太田氏)

 ベンチマークテストに使用したのは、Inventorを自動的に動かして性能を測るベンチマークツール「Inventor Bench」だ。これを用いて以下の4つの項目をスコアリングし、さらに大規模アセンブリを扱う上で重要な指標となる“フルアクティブ編集可能な規模”(※1)を算出した。

※1:フルアクティブ編集可能な規模とは、1つの大規模な製品を簡略モデルに置き換えるなどせずに設計できる部品数の目安のこと。

Storage Test:データを保存する時間Modeling Test:ある3次元形状を自動生成する時間Graphics Test:大きなモデルを回転・移動させたときの時間Drawing Test:図面化するときの時間

 基準となるZ220 SFFとInventor 2017の組み合わせでは、フルアクティブ編集可能な規模は1万点であった。これをベースに今度は、ハードはそのままに、InventorのみをInventor 2021にバージョンアップしてみたところ、結果は3万点。それとは逆に、ソフトはそのままに、ハードをZBook 15 G6に変えてみると2万点となった。そして、ハード/ソフトの両方を最新にしたケース(ZBook 15 G6×Inventor 2021)では、何と6万点という数値が得られた。Inventor Benchのスコアと併せて表2に示す。

表2 スコア表(1):Inventorのベンチマークテスト結果表2 スコア表(1):Inventorのベンチマークテスト結果

 この結果に対し、太田氏は「装置設計はさまざまだが、一般的には装置1台当たり数千~1万点ほどの部品点数になる。それを複数台配置する生産ラインの設計を行う際、通常は簡略化モデルを使用するが、“フルアクティブ編集可能な規模”が6万点ともなると、生産ラインを簡略化なしにフルアクティブのまま設計することが可能となる。Inventorの全方位的なパフォーマンス強化と最新ワークステーションの力により、設計上のボトルネックを解消できた結果といえる。しかもそれがモバイルワークステーションで実行できるという点も見逃せない」と語る。

画像5 6万点のフルアクティブモデルの例(Inventor 2021)画像5 6万点のフルアクティブモデルの例(Inventor 2021)

 また、興味深いのは、Inventor 2017からInventor 2021へバージョンアップしただけで3倍向上している点だ。これについて太田氏は「3D CADの進化はハードの進化とともにあるため、双方適切なものを組み合わせることが重要だ。しかし、Inventorにはオートデスクが培ってきたゲームテクノロジーの技術も組み込まれており、ソフトのバージョンアップだけで3倍もの向上が見られた。この点はオートデスクならではの強みといえる」と解説する。

 実際、Inventor 2021では、大規模アセンブリの設計で重要なモデリングやグラフィックス、図面化といった各機能のパフォーマンス向上だけではなく、ベンチマークテストに表れづらい実際の3次元設計上のボトルネックにきめ細かく対応されており、これによってストレスなくスムーズに3次元設計が進められる。

解析でマシンが専有される時間も大幅軽減、点群の読み込みも向上

 続いて、Inventor Nastran 2021とReCap Proのベンチマークテストの結果だ。

 Inventor Nastran 2021については、15万要素(メッシュ)もの大規模モデルに対して、座屈解析を実行し、Z220 SFFとZBook 15 G6のそれぞれの計算時間を比較した。その結果、Z220 SFFが3427秒かかったのに対して、ZBook 15 G6は433秒と約8分の1の時間で解析が完了した。

 「構造解析は、CPUのコア数やクロックだけでなく、キャッシュ、メモリなどが総合的に影響する。こうしたハードの複合的な要因でボトルネックも変化するため、大きな差として表れやすい」と太田氏は述べる。今回の結果のように、これだけ改善されるのであれば、解析処理に時間を取られて設計業務がストップすることもなくなるだろう。設計工程の中で、設計者が解析を積極的に活用していく、設計者CAEによるフロントローディングの実現にも最適といえそうだ。

 一方、ReCap Proのベンチマークテストでは、2700万点もの点群データの読み込み時間を比較した。その結果、Z220 SFFが242秒、ZBook 15 G6が147秒と約1.7倍のパフォーマンス向上が見られた(表3)。この差はCPU単体の性能差と考えてよさそうだ。

表3 スコア表(2):Inventor Nastran/ReCap Proのベンチマークテスト結果表3 スコア表(2):Inventor Nastran/ReCap Proのベンチマークテスト結果


 以上、設計業務を効率良く、スムーズに遂行するために、ハード/ソフトの最適な組み合わせがいかに重要かを理解いただけたのではないだろうか。

 これまで装置や生産ラインの設計は、2次元が主流だった。しかし、今回のベンチマークテストの結果からもお分かりの通り、3D CADのInventorと、モバイルワークステーションZBook 15 G6の組み合わせであれば、装置単体はもちろん、数万点という生産ラインの大規模アセンブリを難なく取り扱うことができる。かつて諦めていた環境が手に入るのだ。脱2次元を果たし、飛躍するチャンスは今しかない。

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